「短期療法、ナラティヴ・セラピー技法習得のつどい」の授業風景をご紹介します。
授業は、トシ家族療法研究所のカウンセリングルームで行われています。一クラスの受講者は4〜6名。講師を囲んでの授業スタイルは家庭的で、皆様とてもリラックスして学習しておられます。
授業の前半はテキストを使用した講義です。ナラティヴ・セラピーの理論を分かりやすく解説していきます。
この講義の特徴は、講師の斎藤利郎が豊富な体験例を挙げて解説することです。斎藤が過去に診てきたクライエントとの様々なカウンセリング経験から、テキストの内容が具体的にどういうことを述べているのかを平易に解説してくれます。そうすることによって、むずかしいナラティヴ・セラピーの理論が「なるほど」と理解できます。
講義の後は、少しの休憩をとります。
お茶を飲みながら、受講生同士が各自の近況や受講し始めてからの自分や周りの変化などを、誰ともなく話し始められます。この授業が確実に皆さんに変化をもたらしていると実感されます。
休憩も大変重要なコミュニケーションの場となっているように感じます。
授業の後半は、ロールプレイです。
2人1組になり、前半で学習した内容を実習によって身体で理解することが目的です。この体験学習により、内容が頭ばかりでなく身体に染みわたっていくのです。
最後は斎藤による「模範演技」です。受講生がクライエントになりカウンセリングを受けることにより、ナラティヴ・セラピーがどのようにクライエントのこころに影響するかを体験することができます。
本講座を通して、受講生の方々の顔つきが回を重ねるごとに変化してくることに気づきました。皆さんとてもよい顔になられています。ご自身の変化を「職場で働くのがすごく楽になった」「姑とのかかわり方が変化し、よい関係を持てるようになった」というような体験例でお話しくださる方もいます。ここでの学びが日常生活で活用されることは、とても嬉しいことです。同時にそれは、本講座を学ぶ意義でもあります。
最初の授業で斎藤が受講生にお伝えすることがあります。
「カウンセリングを学ぶことは人のためならず、自己変革と心得よ」
カウンセリングの技法を学ぶことは、人に何かをしてさしあげるなどと考えてはいけない。自分が変わること、このことこそが本講座の一番大切な目的なのです。
(記事:田中達也)