子どもの虐待、犯罪の低年齢化、不登校、引きこもり、離婚、高齢者介護…これらの問題で悩んでおられる方々が急増しています。 しかし、これらの方々は、他人に相談できない、相談したくてもどこに相談したらよいのか分からない…というこころの叫びをお持ちです。 私たちは、これらの悩みをお持ちの方々の支援を行っています。皆さんと一緒に問題に取り組み、解決に向かって前進していくお手伝いをしています。

2008年2月アーカイブ

 9月開講の第一期生は、電話相談、介護・障害者施設、DV相談、企業の苦情・相談室等で働く方々にご応募いただき、熱気あふれる技法習得のつどいとなりました。
 受講生たちの現場体験が共有化されるなかで、ナラティヴ・セラピーの主要な技法である外在化の概念化が容易になりました。多くのクライエント(White は、クライエントの代わりに「諸個人 persons」を使う)は、他者とのかかわりからくるストレスを話します。たとえば 「わたしの上司は、わたしがもっとも多忙なときに仕事をおしつけてくる」、「前任者がきちんと仕事の引継ぎをしてくれていなかった」、「夫は帰宅すると、何も手伝わずにテレビのまえでビールを飲んでいる」等です。これらのことばがストレスであるとするなら、話された時点で、それらは外在化しています。ところが「だから、わたしは『うつ』になってしまい何もできないのです」と言うなら、そのストレスが問題として内在化することになります。こうしてクライアントは 「問題の人」とみなされるようになります。

 White は、「人が問題ではなく、問題が間題なのである」と言います。ストレスを問題として内在化した人格が問題なのではないのです。「人びとが自分たちの人生に影響している問題から自分たち自身を分離して考える」(White, 1998, 小森訳、2001)必要があるのです。内在化した問題を分離することが外在化の第--歩と言えましょう。

 ご--緒に学んでみませんか。仲間が増えることを期待しています。ぜひご連絡下さい。

トシ家族療法研究所 所長
斎藤 利郎
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「短期療法、ナラティヴ・セラピー技法習得のつどい」の授業風景をご紹介します。

 授業は、トシ家族療法研究所のカウンセリングルームで行われています。一クラスの受講者は4〜6名。講師を囲んでの授業スタイルは家庭的で、皆様とてもリラックスして学習しておられます。

narrative01_01.JPG 授業の前半はテキストを使用した講義です。ナラティヴ・セラピーの理論を分かりやすく解説していきます。
 この講義の特徴は、講師の斎藤利郎が豊富な体験例を挙げて解説することです。斎藤が過去に診てきたクライエントとの様々なカウンセリング経験から、テキストの内容が具体的にどういうことを述べているのかを平易に解説してくれます。そうすることによって、むずかしいナラティヴ・セラピーの理論が「なるほど」と理解できます。

 講義の後は、少しの休憩をとります。
 お茶を飲みながら、受講生同士が各自の近況や受講し始めてからの自分や周りの変化などを、誰ともなく話し始められます。この授業が確実に皆さんに変化をもたらしていると実感されます。
休憩も大変重要なコミュニケーションの場となっているように感じます。

 授業の後半は、ロールプレイです。
2人1組になり、前半で学習した内容を実習によって身体で理解することが目的です。この体験学習により、内容が頭ばかりでなく身体に染みわたっていくのです。

narrative01_04.JPG 最後は斎藤による「模範演技」です。受講生がクライエントになりカウンセリングを受けることにより、ナラティヴ・セラピーがどのようにクライエントのこころに影響するかを体験することができます。

 本講座を通して、受講生の方々の顔つきが回を重ねるごとに変化してくることに気づきました。皆さんとてもよい顔になられています。ご自身の変化を「職場で働くのがすごく楽になった」「姑とのかかわり方が変化し、よい関係を持てるようになった」というような体験例でお話しくださる方もいます。ここでの学びが日常生活で活用されることは、とても嬉しいことです。同時にそれは、本講座を学ぶ意義でもあります。

narrative01_05.JPG 最初の授業で斎藤が受講生にお伝えすることがあります。
「カウンセリングを学ぶことは人のためならず、自己変革と心得よ」
 カウンセリングの技法を学ぶことは、人に何かをしてさしあげるなどと考えてはいけない。自分が変わること、このことこそが本講座の一番大切な目的なのです。
(記事:田中達也)

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